臨床検査試薬管理の憂鬱を解決する(1)

ずいぶん久しぶりの投稿となってしまいました。

弊社は、病院ラボで働いた経験から、こんなところが不便だ!とか、こんなものがあればを解決する製品を作ろう!が原点となっています。

ある問題を解決しようとしても、ぴったりと自分の環境にフィットする製品は無いし、ならばフルスクラッチで作ろうとしても価格が高く断念したご経験のある方も多いのではないでしょうか?

この1年以上、ある作業について負担を軽くし所要時間を短縮するためのシステム開発を続けてきました。

それは何かといえば

「試薬管理です。

「医療法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う厚生労働省令の整備に関する省令の施行について(改正省令)」

が2018年12月1日に施行され「試薬管理台帳」が義務化されました。これには有効期限や、保管されている試薬在庫状況などを記載することとなっています。試薬管理についてはISO15189認定施設であれば、さらに「いつ」「誰が」「どの試薬」を入庫した、出庫した等の記録を法令施行以前から実施されていることと思います。

私自身も手書き台帳で管理を行っていました。

しかし1人体制で、試薬交換の時間が限定されている場合、この記録行為が馬鹿にならならい手間でした。

当時の状況は、当直で使用する機器のメンテナンス(洗浄・試薬交換等)を進めつつ、少し離れた別の分析機器を用いて検査、報告していました。当直までに機器は使用できるように仕上げねばならない中、週末などで試薬交換が多い場合10数本のボトルについて「名称」「製造番号」「有効期限」「入庫日」「出庫日」「担当者」「在庫数」を記録していく必要がありました。

「バーコード管理すればいいじゃないですか?」

そうおっしゃる方もいらっしゃるでしょう。

そうです、おっしゃるとおりなのです。

今販売されている多くの試薬管理システムはバーコード管理を基本とし、大原則としています。

そこで当時の私は、試薬メーカーさまにバーコードに記載されている内容を教えていただいて、自作でバーコード管理するシステムを作りました。

確かにこれは便利でしたし、一定の効果もありました。

ただ・・・・

全種類の試薬ボトル全てに、バーコードって貼付されてるでしょうか?されてないですよね!。

バーコードは、入庫の際には便利ですが、個別試薬単体には、貼付されていない場合も多いです。そんな試薬には、自分たちで管理用のバーコードを作成して貼り付けたりしました。

あれっ、これって仕事増えてない・・・・・?

なんとなれば、バーコード内容も微妙に違う場合もあります。

例えば、ラベルに表記された製造番号が仮に「AB123」だとすると、バーコードから得られるのは「123」だけだったり、標準に準拠されていない試薬は、そもそもその情報すら取れない場合もあります。

で、バーコードを読むには「バーコードリーダー」のある端末まで試薬を持っていく必要があるし(ハンディタイプもあるのでしょうが、当時の勤め先には無かったのです)、サイズが大きい試薬であれば、それだけで大変です。

管理に例外があると、手間は飛躍的に増大します。

検体受付にしてもそうです。全ての検査受付をオーダーエントリーシステムからできれば、そこに人手は不要です。でも1項目でも例外で紙媒体の依頼書が必要だと人が処理せねばなりません。そして、そういった例外は減ることはまず無く・・・・どんどん増えるばかり。

そんなこんなで、ある日部下だった女性が言いました。

「使いにくいんで紙台帳に戻していいっすか?」

そんなわけで、このシステムは廃止となりました(T_T;)。

試薬管理の例外を無くして、全て単一の手法で、かつペーパレスで管理したい。

自作システムは廃止になりましたが、そんな思いは強くなるばかり。

使いにくいシステムは未熟で何かが足りないのです。技術が全てを解決してくれるわけではありません。不足しているのは、運用なのか技術なのか、はたまたそれ以外なのか。よく考えて見極めねばなりません。

あっ、もちろんこれは当時の自作システムについてのことです。もちろん現在、市販されているシステムは、もっと練られて使いやすいことと思います。残念ながら使用したことはないのですが、使ってみたかったです。

それにしても、試薬が多いと面倒です。手書き台帳も後からみて本当にトレースできるのか?って思う字の人もいます。

やはりこの面倒な仕事は、楽にする必要がある。実はバーコードのシステムを作った時から一つのアイディアがありました。

バーコードは人の目でみれば、文字数列の羅列です。一見して判別できません。

でも・・・人が見て判別できるように、全ての必要な情報はラベルに文字で書かれているじゃぁないですか!

ラベルを見たまま管理できれば・・・、撮影して写真で管理すればペーパレスにできるのではないか。

その思いつきを実現するために、病院を辞めて会社を始めることにしました。

To be continued………..

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